“本当に「英語が使えること」の真価が発揮されるのは、英語で情報を仕入れられるようになってからです。
そして、英語で情報を仕入れるには、英語をある程度早く読むことができないといけない。”(「知らないと損する英語の速読方法」より)
また、ある程度早く読むことができなければ、大学入試や、TOEICのパート7などの英語の長文問題に対した際には、「先に設問を読んでから本文を読む」などのテクニックを用いたとしても、すべての問題を解き終えることは難しくなってしまいます。
学校の授業で、「正確に読むこと」を中心に英語を学んできたせいか、私達はどうしても、丁寧に、意識的にまた無意識に返し読みをしてしまい、読む速度は、かなり意識して練習しないと、なかなか早くなりません。
下の表はネイティブスピーカーの場合のリーディング・スピードの基準ですが、
「非常に遅い(170~199)」でさえ可能な日本人は、そう多くないのです。
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WPM Level レベル
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170-199 Very slow 非常に遅い
200-229 Slow 遅い
230-249 Average 平均
250-299 Above average 平均以上
300-349 Medium fast やや早い
350-449 Fast 早い
450-549 Very fast とても速い。
550-650 Exceptionally fast 並はずれて早い
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(Read better,Read faster;1965)
WPM = Word Per Second
アナウンサーのニュースのリーディング・スピードが150WPMと言われており、少なくともこのレベルの速度で読んで分かることができなければ、自分のペースであれば読んで分かる英語も、聞いて分かるようにすることは難しいものになってしまいます。
■まず、あなたの現在の読む速度を計ってみましょう
冒頭の「知らないと損する英語の速読方法(1) - 一法律学徒の英語と読書な日々」をはじめ、世の中には、速読練習の優れたメソッドがいくつも存在していますが、
どのメソッドにも共通している最初の、そして定期的に繰り返し行うべきとされているエクササイズは、制限時間内に、いくつの単語を読むことができるかを計測することです。
多くの場合、一分間にいくつの単語を読めたのかをWPM(Word Per Minutes)として計算して記録することを勧められています。
これは速読練習の成果を確認するために、重要なことです。
しかし、実際に時計とテキストを用意して、読んだ場所までの単語の数や、行数を数えて、WPMを計算するのは意外と面倒なものです。
例えば、よく知られた、最も簡単な計算方法は以下のものです。
「読書スピードを計るには?」
・10ページほどの、テストに使う本の、未だ読んでいない節を選択します。
・タイマーを使って3分間で、その節をできるだけ早く読みます。
・3分経った時点で、最後に読んだ場所に鉛筆かペンで印を付けます。
・まず、各行の平均単語数を算出します。 (a) ___ WPL
・次に、読んだ行数を数えます。(b) ___
・a(=行の平均単語数)とb(=読んだ行数)を掛けて、読んだ総単語数を計算します。(c) ___
・c(=読んだ総単語数)を読むのにかけた時間(ここでは3分)で割ります。 ___ WPM
(引用元「Break-Through Rapid Reading」からの抄訳)
しかし、毎回計算するのは、面倒ですよね。
私達の目的は、単語数や行数を速く数えられるようになることでは無く、文章を速く読めるようになることです。
面倒な、時間の計測や、単語数カウント、速度計算はiPhone/iPadに任せてしまいましょう。
このアプリケーションを使えば、とても簡単にWPMを測り、記録することができます。
■使い方
まずテストに使うテキストを選びます。
次に計測時間を選び、テスト開始のボタンを押すと、計測の開始です。
文章をなるべく早く読むことに集中してください。
テスト時間が終了すると終了のホイッスルが鳴っり、画面が赤く染まりますので、
読み終えた最後の単語を、タッチしてください。
・読んだ単語数
・かかった秒数
・WPM
上記の3つが計測の結果として表示されます。
正しくテストできたのなら「Save this record」ボタンを押して、保存してください。
保存したテスト結果は、左下の「History」ボタンで後から確認できます。
<トレーニング>
現在の自身のWPMを確認できたなら、次はより速く読むためのトレーニングを行いましょう。
文章を読む時、私たちは意識的に、また無意識に、一度読んだ文の読み返してしまっています。
「知らないと損する英語の速読方法」やその原典の「Breakthrough Rapid Reading」では、”指で読んでいる行の下をなぞりながら、止まったり戻ったりせずに、同じペースで読み進めてみてください”、とあるのですが、同じペースを保つのも、これまたなかなか難しいです。
このアプリケーションのトレーニングセクションでは、目標とするWPMを設定して、「Start Training」ボタンを押すと、テキストの先頭から単語が、設定したWPMのレートで、消えていきます。
消えていく速度に追いつかれないように読んでいくことで、読み返しの癖を無くしてしまいましょう。
テストと練習を繰り返すうちに、あなたの速く読む力は高まっていくはずです。
<テキストの追加>
テキスト選択ページの左上の「+」ボタンを押すと、あなた自身のテキストを追加することができます。
ブラウザや他のアプリケーションでテキストをコピーしておけば、「Paste」ボタンを押すと本文に張り付けができるので、簡単にあなた自身のテキストを追加できます。
このアプリは電子書籍リーダーとしての機能も持っています。(ePub方式に対応)
・Alices Adventures in Wonderland(不思議の国のアリス)
・The Time Machine(タイムマシン)
・KWAIDAN(怪談)
・Moby-Dick; or, the Whale(白鯨)
上記の他、パブリックドメインの電子書籍ファイルを複数同梱していますので、ダウンロード後直ぐにご使用いただけます。
また、電子書籍サイト「 Feedbooks.Com 」からDRM FreeのePubファイルをダウンロードすることができます。
■設定の変更
右上の「Setting」ボタンから、文字の大きさと色、ページめくりやボタンを押したときの効果音の音量を変更できます。
■Special Thanks
このiPhone/iPadアプリは、伊藤康祐さんの名エントリー
「知らないと損する英語の速読方法暫定まとめ - 一法律学徒の英語と読書な日々」に触発されて、より実践しやすくするため開発しました。
この記事を公開するにあたり、伊藤康祐さんの書籍「個独のブログ―ある法律学徒の英語と読書な日々 」を再読しましたが、その続きを、読むことができないことが改めて惜しまれます。
夭逝された伊藤康祐さんのご冥福を、心からお祈りいたします。
また、これまでにご利用いただいている33カ国のユーザーに、感謝いたします。